虫刺され
皆さんこんにちは。
シカゴの暑い夏、皆さんいかかお過ごしでしょうか。
夏休みにもいろいろとスポーツやキャンプに行かれる方も多いかと思われます。キャンプといえばこの辺では湖や森の中がありますがどちらも虫のシーズンですよね。
虫にかまれたり、蜂に刺されたりするとせっかくのキャンプや旅行なのにうんざりした気分になってしまいます。さて、そうい(行)った時はどうすればよいでしょうか。
中西部には日本と違って蚊が少ないのですが蚊は特に夕方、水の近くにいます。蚊から守ることが一番よいのですが暑い夏に長袖と長いズボンをはくことに皆さん耐えられますでしょうか。もちろん帽子も予防の一つになりますがこういった対策の中一番有効なのは「Off!」の蚊よけ(虫除け)です。オフのメーカーは日本でもおなじみだとは思いますがアメリカではスーパーから薬局、セブンイレブン、ガソリンスタンドでも売っています。キャンプのみならずサイクリングやラビニアのピクニック、魚つりにも欠かさずに持って行くとよろしいかと思います。
ピクニックで思い出しましたが、裏庭でBBQする場合アメリカ流の蚊取り線香をご存知ですか?シトリネラキャンドル、といってシトリネラ(Citronella)の油が入っているろうそくです。このろうそくを皆さんが集まる近くで照らすと煙が蚊を追い払ってくれるものだそうです。実際には蚊取り線香と比べて強くないようですが香りがまた良いので大きいキャンドルのバケツ一個はBBQに欠かせません。
蚊に刺されたら皆さんどう対策してますか? 日本のウナコーワやキンカーンにある主成分のアンモニアは虫刺されのかゆみの成分を中和してくれるのでかゆみを抑えることが出来るのですがアメリカ製のウナコーワはみたことがないので私は自己流の治療としてウィンデックスを使っています。そうです、窓拭き用のウィンデックス。最近の映画にも出てきたようですがウィンデックスの中にアンモニアが入っているので刺されてすぐにスプレーするとかゆみを抑えてくれます。もちろん目や口に入れない様、また、お子さんへの使用には注意をよく払って下さいね。一般の家庭にあるベーキングソーダをペーストにして使っても良く効きます。これはどの虫刺されにも効きますよ。
蚊で一番気になるのは病気です。3年程前まではアメリカで蚊が媒介する病気についてはめったに聞かない話でしたが、最近はNYCからWest Nile Virusというウイルスの発生が報告されました。最近はシカゴにもこのウイルスにかかった症例が報告されましたが、亡くなった方はいません。この病気は頭痛から始まり髄膜炎にかかるのです。人と鳥がこのウイルスにかかるので、突然、周囲の鳥が大量に死ぬようなことがあれば要注意かもしれません。
シカゴ周辺で頻度の高い虫の病気を挙げるとすればライム病でしょう。ライム病は始めNY/コネチカット周辺で報告され、今でも圧倒的に東海岸で認められます。中西部でも市内よりウィスコンシンやミシガンの北方の森林の中に多いといわれています。ライム病は、TICKの虫に刺されて伝染する病気ですが、虫は森林の中に生息するので、モールや商店街にはまずいません。その虫は数分から数時間も皮膚を刺し続け、患者さん本人が虫自体をクリニックに持ってこられることもあります。その後、刺されたところに大きく的当て(ターゲット状=お店のターゲットのマークのような感じ)の赤みの発疹が発生します。この時点で医者に見てもらうことが大切です。ライム病は虫に刺された後に、いろいろな合併症として髄膜炎、心膜炎、関節炎を伴うことがあります。実際にライムが多い地域にいかれ、虫に刺された場合、予防として抗生物質を飲む必要があるので医者に診てもらうとよいでしょう。
春先や秋には皆さんよくクモに刺されます。これは中西部ではほとんど伝染病の心配がないのでかゆみ止めによる対処で十分でしょう。かゆみ止めは、先ほどのお話しのアンモニアのほか市販で売ってます「ベネドリール」(BENEDRYL)系の軟膏やコルチゾール(HYDROCORTISOL)の軟膏が効くと思います。もしこういった市販の軟膏でもどうしてもかゆ
みと腫れがひどければ医者に診てもらって下さい。
湖や川の廻りに多いのはBlack
Flyを言う馬バエです。この虫に刺されると、かゆみと皮膚の腫れがとてもひどいです。今までお話した対策法と同時にCalamine Lotionを使ってみるとよいでしょう。かゆみがひどければAveeno Oatmeal Bathという入浴剤でお風呂に入り、かゆみを抑えるのも方法の一つです。Black
Flyが多いところでは長袖長ズボンをお勧めします。
最後に蜂です。イリノイ州産(地元)の蜂蜜が多いと同時に蜂や蜂による被害はこの辺では多いようです。場所によっては家の廻りに蜂の巣が出来るところもあるようですがそういった場合はすぐに州やCountyの保健所(Health Services)または警察に連絡して下さい。蜂に刺された場合ですが一度目より二度め、二度目より三度目の刺されがよほどひどくなります。もともとアレルギー体質の方ほど反応がひどいので刺されたらすぐにBENEDRYLという抗ヒスタミン剤を2錠6時間おきに飲むことをお勧めします。一回BENEDRYLを飲んでも納まらない場合は必ず医者に見てもらって下さい。一度ひどい反応を起こした人、もしくは蜂の巣が家に見つかったばかりの人は(歯)医者に行って[EPIPEN]という副腎ホルモンのエピネフリンの注射薬の処方してもらい家に用意して置くことが必要です。
夏もまもなく終わってしまいますが、くれぐれも楽しく安全な毎日をお過ごし下さいませ。
(2002・7)
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