Welcome to Dr. Momoyama's Japanese article site 内科医 桃山容子 DuPage Medical Group |
アメリカの医療事情 医療システムの特徴 アメリカでは日本のように病院に行けば外来としてすぐに診察してもらえるというシステムではなく、まず主治医に連絡をとるのが一般的である。主治医はプライマリケアと呼ばれ、内科医、家庭医、一般医、女性の場合は婦人科、子供の場合は小児科医を選ぶケースが多い。主治医に診察をしてもらった後、必要に応じて専門医(スペシャリスト)を紹介してもらう。専門医は細かく分野が分かれており必ず予約を取らなくてはいけない。緊急を要する病気の場合は主治医が専門医に直接、連絡をとってくれる。24時間応対してくれる救急センターもあるが、軽症の場合は長時間待たされることも少なくない。 主治医・プライマリケアドクター 主治医(プライマリケアドクター)を選ぶ時のポイントは、診療所の場所や医師の評判、提携病院など。たいがい検査、治療は提携病院で行われることが多い。すでにかかりつけの専門医がいる場合、逆に主治医を紹介してもらうという方法もある。日本語が話せる医師を選ぶのもよいだろう。ただし、自分の加入している保険会社と提携している医師の名簿の中から選ばなければいけない場合もある。 アメリカでは医療の分野ごとに会計が細かく分かれているので、各分野からそれぞれ請求書が送られてくる。始めに主治医に診てもらうと、効率的に治療ができ、医療費も比較的抑えられる。 処方箋 医師からもらった処方箋は、薬剤師がいる院外薬局から購入する。各薬の袋には薬名や副作用が細かく書いてあるが、説明は薬剤師からしてもらうか医師に相談するとよいだろう。院外薬局は、ファーマシー(Pharmacy)やドラッグストア(Drugstore)と呼ばれ、薬局だけのお店もあればスーパーの中に在るものもある。 アメリカにも日本で使われている薬がたくさんある。商品名が違うのが多いので一般名を医師や薬剤師に伝えればアメリカでも購入できる。例えば、 バファリン = Aspirin (商品名Bayer Aspirin) イブプロフェン = Ibuprofen (商品名Advil,Motrin) ガスター = Famotidine (商品名Pepcid AC) 医療保険 アメリカでは、国民のほとんどが民間の医療保険を利用している。多くの場合、企業が従業員の福祉厚生制度の一環として導入し、従業員本人および家族が対象となっている。実際、企業をとうして医療保険に加入する事になるため、勤めている企業がどの保険制度やプランで契約しているかによって、受けられる保険の給付内容や自己負担の割合なども異なってくる。 各企業が契約している医療保険は1つから2種類あるが選ぶポイントとしては毎月の保険料、年間免責金額(Deductable)、診療室もしくは救急室での受診時にある自己負担金額(Co-Pay)、自己負担の割合が上げられる。一つ覚えて欲しいのはどの医療保険でも年間免責金額は1月1日からの計算なので年の始めの方に診察出来るものはしたいものだ。 公的な医療保険は65歳以上の高齢者を対象とするメディケアと、生活困儒者の公的援助をしてあるメディケイドの2種類ある。前者は国から発効されて後者は各州の厚生基金から出される。 福祉厚生制度の種類と内容 一般的に企業が補給している福祉厚生制度は多種多様であるが主なものを上げると次のとうり。
受診費はもちろん、入院、検査、手術、救急室、高額医療費などの幅広い医療費をカバー。一般的には年齢にあわせた健康診断もカバーされている。 処方箋も自己負担(co-pay)があり、受診費と同じようにカバーされている。ただし、ダイエット薬や禁煙パイポ、薬局の一般の棚においてある薬(over-the-counter)等は一切カバーされていない。後発医薬品(Generic)と特許医薬品(Brand-Name)の薬では自己負担金額が違ってくる。FDA(米国食品医薬品局)では後発と特許医薬品の成分が全く同じ物でないといけない法律になっている。もちろん特許がまだ特許期間以内の医薬品は後発は製造されていない。
虫歯の予防から治療、義歯やメタルボンド、矯正などカバーされるものがある。歯科保険は医療保険よりも各保険の違いが大きく異なり、実際細かく給付内容をよく知っておくとよい。歯科保険に入っていない場合は後述にあるFlexible Spendingから払う事ができる。 三ヶ月以内の障害休暇の給料をカバーしてくれる。
三ヶ月以上の障害休暇の場合にあてはまる。
課税前に給料から取り置き出来る医療関係の費用。歯科料、眼科料やコンタクト&眼鏡料、デイ-ケア(DayCare)そして自己負担の金額等が課税前の金額で払える。但し、注意したいのが使わなかった金額は年の終わりに没収される。 民間の医療保険プラン 医療機関が商品として提供されているプランについてふれてみよう。 代表的なのは以下のとうり。
PPO プラン 主治医を選ばなくても直接専門医に受診出来る。 HMO プラン 主治医にまず見てもらい、必要であれば専門医に紹介してもらえる。 POS プラン 主治医にまず見たもらう必要があるが、選べる専門医の範囲が広い。 **プランにより保険料や免責金額が変わってくる。** 海外旅行傷害保険 キャシュレスサービス ほとんどの診療所や病院は保険加入者に対してキャッシュレスサービスを設けている。これは、保険会社と提携している現地の医師、または病院などで治療を受けた場合に限り、加入者は治療費を負担する必要がない、というシステム。受診時に自己負担の分だけをカードもしくは小切手、現金で払えることになってる。診察料の請求は保険会社に直接請求され、残りの自己負担の割合金額や免責金額は後から病院や診療所から請求されるのが一般的である。でもこれも何週間かかかるので、帰国する場合はあらかじめ直接病院側に連絡すると後からの請求や海外からの支払いの難点を防ぐ事ができる。 (2002・3) |
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