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内科医   桃山容子  DuPage Medical Group

風邪はどうすれば治るの? =パート1=

いつのまにか夏も終わり、すっかり秋めいてまいりましたが、最近、体の異変を感じることはありませんか?知らぬ間に喉が痛くなったり、肩がこったり、鼻水も出ていたり、え?ひょっとして風邪?と思うことはないでしょうか?

仕事でなかなか休めなかったり、アメリカにかかりつけ医がいなかったりする方も少なくないと思います。そこで今回二部に分けて風邪の原因から対処法についてお話します。

風邪(Common Cold) はウイルスが原因です。いろいろなウイルスが風邪症状をもたらしますが、風邪ウイルスによるものが一番です。Common Cold Virus (rhinovirus)ともいいます。ウイルスなので抗生物質は効きませんし、風邪のほとんどの症状は早く治ってしまうので抗ウイルス薬も必要ありません。そのウイルスのほとんどは他人の手や口からうつります。ただ実際にはウイルスはどこにでも存在し、体の免疫力が少しでも低下すると感染しやすくなります。その低下の一番の原因は体温の変化や気温の変化です。例えば、お風呂上がりの濡れたからだや髪の毛も体温低下の原因となります。もちろんストレスや睡眠不足も関連してきます。

だるさ等の風邪の症状は、風邪ウイルスそのものが原因ではなく、体(ホスト)が、ウイルス退治のために免疫機構を働かせてインターフェロンを作り出し、それが大量に血流に流れて起こるのです。C型肝炎に用いられているインターフェロン療法も風邪と同様の症状が出現することが知られています。

さて、風邪の治療ですが一番いいのは休むことです。どうしても休めないという方は次のことを試してみてください。

  1. 風邪薬を飲んで炎症反応を抑える。
    • この事により頭痛、微熱、鼻水、だるさ、くしゃみを抑えることができます。
  2. 水分をたくさん取る。
    • カフェインは避けてください。カフェインによって脱水状態になりウイルスがインターフェロンでおさえられなくなります。生姜汁やハーブテイー、ホットアップルサイダーなどがよろしいかと思います。
    • 睡眠を十分に取る。
      • 鼻が詰まったり頭痛がする場合なかなか寝付けません。そのような場合には市販の風邪薬(夜用)を適量飲んでください。アメリカのスーパーや薬局で売っているものではNyQuilやTheraFluをお勧めします。(お子さんの場合でしたら必ず子供用をお買い求め下さい。)

    大半の方はよく食べてよく寝れば風邪はすぐ治ります。もし治らない場合や治りかけたのに吐き気、下痢、せき、タン、喘息、薬を飲んでも治らない頭痛が起きた場合には医師の診察をうけてください。こうした場合、Common Cold Virusではなく他のウイルスに感染してしまったか、普通の風邪でありながら無理をした結果、重複感染してしまった可能性が考えられます。くれぐれもお大事に。

    次回は「よく使われる風邪の治療法Q&A」です。

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(2002・1)

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